冷製パスタ始めました。

厳密な統計に基づく話ではなく、私の実感ですが、近年イタリアの夏の食卓が少しずつ変わってきたように感じます。

もちろん、ご年配の方が料理を担当する家庭では、昔ながらの食卓が今でも健在でしょう。しかし、若い世帯では、冷製パスタ(pasta fredda)やライスサラダ、カルパッチョなど、火をあまり使わず、さっぱりと食べられる料理が並ぶ機会が増えているように思います。

以前は、フェッラゴーストなど親戚が集まる夏の食卓では、ラザニアやパスタ・アル・フォルノなど、オーブンで焼き上げる料理が並ぶ家庭も少なくありませんでした。大きな耐熱皿に入った料理を囲み、みんなで取り分けながら食べる――そんな光景は、イタリアの夏らしい思い出の一つです。

しかし、近年の猛暑を考えれば、その傾向が少しずつ変わっていくのも無理はありません。

実際、イタリア保健省は熱中症対策として公式ホームページで、

「オーブンや、熱を発する家電の使用はできるだけ控えましょう。」

と呼びかけています。

日本でもエアコンの適切な利用や水分補給が推奨されますが、イタリアでは「家の中を暑くしないためにオーブンを使わない」というところまで踏み込んでいるのが興味深いところです。

イタリアの料理専門誌「La Cucina Italiana」では、冷製パスタをはじめ、夏らしい料理が美しい写真とともに紹介されています。眺めているだけで、イタリアの夏を味わった気分になれるので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
https://www.lacucinaitaliana.it/galleries/gait77478/

食文化は伝統を大切にする一方で、猛暑が当たり前になれば、料理もまた、それに合わせて少しずつ変わっていくのでしょう。

日本では夏になると、店先に「冷やし中華始めました。」という貼り紙を見かけます。

もしかすると、そう遠くない将来、イタリアのレストランにも、

「冷製パスタ始めました。」

そんな貼り紙が、当たり前に見られる日が来るのかもしれません。

BUONA GIORNATA!


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