輸入関税撤廃のからくり
3年ほど前、EUからの輸入関税撤廃というニュースがありました。これでイタリアのワインやチーズがこれまでよりかなり安価で購入できる、そう期待したかたがたも少なくなかったと思います。
でも、その後、どうなったのでしょうか。
イタリアのワインやチーズが、日本国内で安価に購入できるようになったでしょうか。
おそらく「ノー」だと思います。
本当に「輸入関税撤廃」があったの? 事態はなにも変わっていないのでは?そう感じていらっしゃるかたが多いのではないかと思います。
輸入関税撤廃をめぐる話題の発端は、日欧EPAの発効です。2019年2月1日に日本とEU間でEPA(経済連携協定)が発効となりました。物流の自由化を活性化させるため、さまざまな商品の輸入関税が撤廃されるというわけです。
イタリアからの商品を例にとれば、ワインやチーズの関税が撤廃されることで、本場のおいしいワインやチーズが安く購入できる、日頃の食卓でより身近になる。こんなふうに、メディアでも大きく取り上げられました。特にチーズは最大29.8%の関税がかかっていることが、日本市場に出回っているチーズの販売価格が高い原因だといわれていたからです。
EPAのチーズ関税撤廃にはまだまだ時間がかかることもありますが、じつは日本の市場に出回っているイタリアチーズが高い主たる要因は輸入関税ではないからです。
その要因は、まず、業者のマージンです。
簡単な例でいいますと、イタリアのスーパーマーケットで購入できる100g 1ユーロ(約130円)のモッツァレラチーズ。これをみなさんが日本国内の店舗で購入する価格は、その6~8倍(約800~1000円)になっているでしょう。中間マージンが大きいためです。そして、高額と言われる輸入関税ですが、この例でじつはいくらなのかといいますと、30円に満たないのです。
いくらEPAによって関税が撤廃されたところで、今の流通経路では下がるコストは微々たるものにすぎません。
輸入チーズが日本で高額になる要因は、高額な中間マージンの問題だけではありません。チーズなど乳製品を海外(イタリア)から輸入して国内で販売するためには、食品検査・動物検疫など検査の規制が厳しく、その手続きコストが高いということがあります。
業者のマージンと検査・検疫の問題は、個人輸入という形でイタリアの生産者から直接購入することでクリアできるのです。
みなさん最終消費者が直接生産者から購入しますと、一度の購入金額が16,666円未満であれば、個人輸入特例という制度によって輸入関税・消費税も免税扱いになるのです。これによって、業者のマージンを省くことができます。さらに、食品検査のプロセスが省略できます。
こうして、業者のマージンと検査・検疫の問題をともに取り除くことができる、というわけです。
こう書きますと、購入金額が高くなっても食品検査をした方が良いのでは? と思われるかもしれません。この食品検査、じつは国が定める食品衛生法によって、添加物等の規格基準を満たさなければいけない、というものです。
フレッシュ・イタリー・デリで取り扱っているチーズは、トレーサブルで、原料から加工、流通に至るまで、すべてを可視化できる商品です。チーズは、生産者の工場内でカット、真空パック、梱包されます。徹底管理された品質の商品が、生産者の工場から日本のご自宅に直送されます。
個人消費という目的・手法であれば、大きな物流メリットがあります。
「越境Eコマース」と呼ばれるこのモデル。フレッシュ・イタリー・デリでは、イタリアの現地の味を、日本にいながら、お得に楽しむことができるのです!
(訳:Fresh Italy Deliスタッフ)
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