輸入裏話①隠れた費用 中小規模輸入者の場合

交渉

 

前回は輸入通関について少しお話をしましたが、イタリアからの商品の輸入に際しては、輸入通関手続き以前にも、実は日本での販売コストを押し上げる要因があるのです。今回は、輸入通関のお話の前に、その点をお話ししておきましょう。

一例として、輸入手続きを行った会社がそのまま日本国内で販売事業者となり、オフラインと呼ばれる店舗販売であったり、オンラインと呼ばれる通販であったりと直接みなさん消費者に販売するパターンを考えてみます。
これであればイタリアの生産者と日本の消費者の間にいる中間業者はこの輸入者=国内販売事業者の1社のみとなり、中間マージンは1社でしか生じないように見えますね。

しかし、そうともいえないのです。
日本の輸入者は、中規模会社が多いため、イタリアに自社の支店や駐在事務所がないという場合が多いのです。多くの会社は、よい商品を自分の足でイタリアに探しには行くのですが、ここで問題になるのは言葉の壁、特にビジネス面での商談力です。なにせイタリア語ですから。

そこで登場するのがイタリア側の輸出サポートエージェントです。
こういうサポートエージェントは、日本とのビジネスを肌感覚的に分かっており(*このニュアンスはまた別の機会にお話ししたいと思います)かつ英語対応も可能で(稀に日本語も話すエージェントもいます)、それぞれが得意分野(食品やアパレル等)で生産者ネットワークなどをもっています。そのため、日本側の多くの中規模輸入者はお抱えエージェントと契約していて、彼らと現地で行動をともにし、商品を調達します。そして、帰国後の仕入れなどはこのエージェントを通しておこなうことが一般的です。

つまり、生産者と消費者の間に存在するのは日本側輸入者=国内販売事業者中間マージン1社だけと見えるこの例も、実はイタリア側で生産者との間をとりもつアテンド(エージェント業者)が存在するのが一般的です。彼らは輸入者が生産者へ支払う金額(輸入する量)に応じたパーセントの手数料(コミッション)を輸入者からもらうという仕組みになっているので、ここでも中間マージンが発生するのです。

あたりまえといえばあたりまえですが、見えないところ、知らないところでいろいろな人やエージェントのコストが含まれているのですね。つまり、輸入業者が自社でできないアレンジを外部に委託することで、本来は省くことのできる余剰なコストが、まわりまわって日本での販売価格の中に含まれてしまうという状況ともいえるでしょう。この例のような構図は、もっとシンプルにできるはずですよね。

イタリア現地の輸出サポートエージェントは良質な生産者との大事なつなぎの役割を担っています。その彼らが直接日本の消費者に紹介する場を提供できればどうでしょう?
あるいは、輸入者=国内販売事業者がイタリア事情に精通、言語の問題もクリアできて、自身ですべて直接に各イタリア生産者と商談も行うことができればどうでしょう?

つづく

訳:Fresh Italy Deliスタッフ)


コメントを残す

ご注意ください、コメントは承認されるまで公開されません

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleプライバシーポリシーおよび利用規約が適用されます。